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職場のぴあサポーターのための傾聴のポイント①

カウンセリング

職場のぴあサポーターのための傾聴のポイント①

職場によっては、社員の相談を受ける「ぴあサポーター」という取り組みをされているところもあります。

職場の人間関係や仕事のこと、プライベートな悩みなど、職場の中に安心して相談できる環境があれば、ストレス軽減につながります

しかしながら、その「ぴあサポーター」の方はプロの心理士ではないので、どのように話を聴く良いのだろうかとお悩みの方も多いようです

そこで、今回は傾聴のポイント(基本)についてお伝えしたいと思います

職場のぴあサポーターのための傾聴のポイント

~サポートにつながる話の聴き方

相談したい人は、どんな思いで相談に来るのかには3つのタイプがある

相談に来られた方は、

「誰にも話せないから、ただ話を聴いてもらいたい」

「本当にどうしたら良いか分からず困っている」

「具体的に何か解決策などのアドバイスが欲しい」

大きく分けるとこのように3つのタイプがあります

そのタイプごとに対応の仕方を変えることで、より相談に来ている人にとっては安心して話ができる場になると言えます

なぜならば、ただ話を聴いてくれればいいと思っている時に、話の途中で解決策やアドバイスを伝えてしまうと、「この人に言っても聴いてくれない」と感じたり、「もっと頑張れと言われているようで辛い」と感じてしまうということが起きてしまうからです

どのタイプの人にもまずは、とにかくしっかり話を聴くということが重要です。話を聴いていく中で、解決策やアドバイスが欲しい方は、自らそれを言葉に出して求められます。その時になったら、一緒に対応策を考えていかれると良いでしょう

では、初めに、しっかり話を聴くとはどういうことなのかについてお伝えしていきたいと思います

1,傾聴とは

話の聴き手に求められるのは『傾聴』の力

1,なぜ傾聴が必要?

『傾聴』をすることで話し手は、相談者に対して信頼感をもち、安心して話をするようになります。また、話をすること(問題を言語化)で、整理できます。そして、整理することで、自分の事に気づくことが出来ます。そうするとなりたい自分が明確になりそれに向かって何とかしたいと思えるようになるのです。

聴き手は、話し手のなりたい自分に向けて歩いていこうとすることに対してサポートすることが、ぴあサポーターの役目なのです。

では、傾聴とはいったいどういう事を言うのでしょうか。ここでは心理学者ロジャーズの3原則(米国の心理学者カール・ロジャーズ)で説明したいと思います

  • 共感的理解

共感的理解とは、相手の話を相手の立場に立って、相手の気持ちに共感しながら理解しようとすることを言います

相手の立場に立つのですから、自分の場合と分けて捉えることが必要です。自分だと同じ状況ではそうは思わないということでも、この人だとそう考えるのだなと理解するということが共感的理解です。ですから、同じ気持ちになるとこととは違います。

「なるほど、そうか、この人はそう思うのだな」と感じながら話を聴くということです

  • 無条件の肯定的関心

相手の話を善悪の評価、好き嫌いの評価を入れずに聴くことを言います

相手の話を否定せず、なぜそのように考えるようになったのか、その背景に肯定的な関心を持って聴くことで、話し手は安心して話ができます。相手の行動や考えを否定してしまうと、それ以上話をしたくなくなったり、大事なことを話さなかったりということが起こります。評価を入れずに話を聴くことで、この人になら自分の思いを安心して話すことができると思って話してもらえます。

「それは間違っていますよね」などと、評価を入れずに、どんなことも無条件に肯定しながら共感的理解で話を聴いていくと良いでしょう

  • 自己一致

相手に対しても、自分に対しても真摯な態度で、話が分かりにくい時は分かりにくいことを伝え、真意を確認する聴き方を言います。

話の中で、疑問に思うことはあると思います。そんな時、分からないことをそのままにしておくと、途中で話が分からなくなったり、本当の気持ちを理解することが出来なくなることがあります。

また、「今自分はこんな風に感じているのだな」と自分自身の気持ちを客観的に感じるということも必要です。

悲しい話や辛い話、怒りが湧いてしまう話を聴くと、聴き手が経験したことと重なってしまって、感情を揺さぶられてしまうことがあります。そうなるとこちらの感情を相手に表現してしまい、話し手の方が困ってしまったり、それ以上話せなくなるということも起きてしまいます。相手の悲しさや苦しさを強く感じたり、自分のことと重なったら、「今、自分はこういう感じを持っているのだ」とその自分を客観的に捉えることが必要です。それが難しいときは、聴き手の役を代わっていただいた方がよいかもしれません

如何でしたか?少しでも参考にしていただけたら嬉しいです。

次回は、自分自身が相手の話を聴くときにどのような聴き方をしているのかについてお伝えしたいと思います