ブログ

Blog

本当は会社のためになる「ハラスメント対策」

本当は会社のためになる「ハラスメント対策」

あー、ハラスメントハラスメントうるさい!ハラスメントという考え自体がハラスメントだ!訴えてやる!とやけっぱちになっていらっしゃる方はおられませんでしょうか?

その気持ちもわかります。

最近はハラスメントの種類もどんどん多くなっており、しかもなぜか横文字ばかりで、なんだかとても面倒な、難しいことのように思えてきます。

そうなってくると、「なんかわからんけど、必要って言われているので、とにかくしておくか」という姿勢になってしまうことも多いのではないでしょうか。

実際、ハラスメント対策を取り組まれておられる方でも本当にハラスメント対策はなぜ必要なのか理由を考えてみたことはありますか?

そんなのあるに決まっているじゃないか馬鹿にするなよ!モラルハラスメントだ!!と声がどこからか聞こえてくるようですが、十分認識されている方は、大丈夫!素敵!最高!ですので、回れ右して他のお仕事や記事をお読みください。「そ…そういえば」とご不安になられた方だけ今回の記事にお付き合いしていただけると嬉しいです。

ハラスメント対策のメリット

ハラスメント対策、従業員へのメリットはあるけれども、会社のメリットは従業員の健康が守れるだけだと思われていませんか?

または、企業イメージが悪くなるなんて、大きな出来事があった時くらいだろうと思われていませんか?

確かに、ハラスメント対策のメリットに大きな見出しをつけるなら

・ 従業員の健康を守り、離職率・休職率の低下

・ 働きやすい環境作りをすることで、生産性の向上

・ コンプライアンス向上をして、会社の信用度を上げる

ということになると思います。

しってるーそんなことくらいこんな記事読まんでもしってるー

そうだと思います。この記事を読み進めていただいている方々はこのくらいのことはご存じだと思います。

ただ、今回は「良く耳にするハラスメントあるあるワード」を通して、「なぜハラスメント対策が必要なのか」をより身近なこととして考えていきたいと思います。

■あるあるワード 第一位

「昔はこのくらい怒鳴られて当たり前だった。むしろそれで俺たちは強くなった」

一見カッコイイ!と言いそうになりますが、良く考えたらどこから突っ込もうかと悩むくらいに突っ込みどころがあるセリフですね。

まず「昔は」このワードを多用する方は要注意です。時代はどんどん移り変わっていきます。おそらくみなさまの会社もその時代の波に乗るように商品やサービスをより良くなるように変革なさっていらっしゃるのではないでしょうか?それならば、なぜ人間関係だけ変革はしなくてよいと思われているのでしょうか?

また、仕事に関しては「うまくいかなければ、違う方法を考え試す」ということが求められているのに、部下がうまく育たなくても同じやり方で部下を育てようとすることも合理的ではないように思えます。

本当に強い人は人にやさしく出来るものです。そして、怒鳴るというのは、感情の抑えられない人のやることですから、とても強い方とは言えません。

では、どのように考えたらよいでしょうか?

「従業員」というのは、実は会社にとって一番重要な「商品」です。「商品」は、時代や購入者のニーズによって扱い方は変えなければいけません。目の前にいる「商品」を会社の為に、そしてお客様のために素晴らしいものに作り上げるにはどうしたらよいでしょうか?

まずは、その素材に合わせた扱い方を考えなければいけません。また、自分がどのような素材であるかも知っておく必要があります。

強度がある素材は壊れにくいかもしれませんが、柔軟な変化をすることは難しいかもしれません。柔軟性のあるものは、良い変化を促すことも出来やすい一方で、変な刺激を与えてしまうと、おかしな変化を起こしてしまうこともあります。

「客観的に見て、業務必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導は、職場のパワーハラスメントに相当しない」とされています。

感情が抑えられていないと客観的に思われる指導は適正ではないと判断される恐れは高く、知らない間に自分が「扱いにくい商品」になってしまう恐れすらあります。

「昔」にこだわりすぎることなく、「今」会社にとって、目の前の従業員にとって、必要な対応を考えていくことで、優秀な商品を育て、そして自らも本当に優秀な商品になることができるのではないでしょうか。

■あるあるワード 第二位

「ちょっとしたコミュニケーションのつもりでやっただけ。ハラスメントなんて思うのは、自意識過剰」

怖いですね。どこが怖いか分からない方はまさかいらっしゃらないと思いますが、もし分からない方がおられたら、即弊社のカウンセリング利用をお勧めします。会社の要注意人物に密かに認定されている可能性が高いです。

こんなことを言っている人がまだいるのか。いるんです。

コロナ禍になる直前のことでした。ランチをしていたところ、隣のテーブルに男性ばかりの4人グループの方が座られました。

一番ご年配の方がけっこう大きな声でお話になっており、周りの方は相槌をうっているという構図でした。その中で、TVざたにもなっている他社のセクハラ案件を取り上げ「おれもあのくらいしたことがある」と前置きをした後、上記の言葉を叫ばれました(叫んだというのは盛りましたが、店内の方々には聞こえる程度の声でした)。

周囲の方はさすがにマズイと思ったのか、いやーでもーとフォローを入れようとはされていましたが、コミュニケーション!自意識過剰!いい女は騒がない!きっと今回騒いでいるのは〇〇!とどんどん言うことがエスカレートしていきましたので、最終的にはみなさん弱弱しく笑っておられました。

きちんと社章もはめておられましたので、どこの会社の方なのかわかる人には分かったと思います。

正直、セクシャルハラスメントに対しての考え方にも憤りは覚えますが、それ以上に「この会社、危機管理的にやばいのではないか」と思いました。また、重鎮とみられる方の暴走を他の社員の方が止められないところを見ても、何か間違った判断を上の方がされた時に止められない体質もあるだろうなと感じました。

ハラスメントの問題と言うのは、実は個人個人の考え方だけではなく、外からそんな発言をすることでどう思われるか理解できているかの踏み絵でもあると思います。

オリンピック組織委員会長退任に関しても、これまで病を押して頑張っておられたことなど含めて考えるといたたまれない気持ちにもなりますが、コロナ禍で臨機応変な対応が必要とされる中、不用意な発言、また不用意な記者会見をしてしまったところを見ると、何かあった時に対応が少し危なっかしいかもしれないなとも感じました。

相手がどう感じるか、それを考えることはもはや相手のためだけのことではありません。あなたの、または会社の能力を問われかねない問題です。

これも「昔は族」が出ますが、昔も嫌でしたよ。体形のことや、下ネタを言われたり、触られたりするのは。そして、そのような扱いを受けた複数人で「あの人嫌だねー。気持ち悪いねー」と陰口を言っていました。すみません。

誰かが我慢しないとなりたたない言葉のやりとりでしかコミュニケーションがとれないのであれば、その方の評価と相手のエネルギーを下げるだけのものですので、いっそコミュニケーションをとらないほうが良いでしょう。

怖いのは、その認識がないと、会社の信用を落とすようなことを無意識に話をしてしまうかもしれないということです。多少高い値段になっても、違う会社を選んだ方が良いかもと判断されることもあるかもしれません。また、SNS社会ですので、拡散される可能性もあります。また、優秀な人材はそんな会社を第一志望としては選ばないのではないかと思います。

あるビール会社が新製品を売り出すために、社員を居酒屋に向かわせ「新製品の〇〇ありますか?」と聞いて回り、印象付けをするという作戦をして早い段階で新製品が広まったというまことしやかな噂が広まったことがあります。

嘘か真かはわかりませんが、人間の性質としては十分可能な戦略だと思います。プレゼンテーションで説明される言葉にも人は心を動かされますが、実生活の場面で見聞きしたことにも大きく影響されます。

戦略的に行うことは、ずっと意識をしておかなければいけないので限度がありますが、本当に「相手を大切にする」「不快だと言われたら素直に反省する」意識を会社全体で持つことが出来たら、自然と信頼できる会社というイメージをつけることが出来るのではないでしょうか。

■あるあるワード 第三位

「制度があるとは言え、休まれたり配慮をしないといけないと自分たちに負担がくるし困る」

これも、正当な感じはしますし、気持ちはわかります。

先日「盲導犬同伴を断られてしまう店も多い」という記事を読みました。コメント欄は賛否両論で、特に「犬アレルギーならどうするんだ」というものが多くみられました。

確かにそうです。ただ、もしもの話を並べて拒否するのではなく、もしかしたらこうしたらうまくいくのではの工夫を皆で考えられた方が自分のためにもなるのではないかと思いました。

誰かにとって生きにくい社会は、自分や自分の大切な人にとっていつか生きにくくなる世界かもしれません。しかし、誰かにとっては生きやすくなったけど、それが誰かの我慢や負担で成り立つというのもおかしなことです。困らないシステム、工夫、方法それを組織的に考えていくことで、結果的にみんなが安心して過ごせる社会、会社になるのではないでしょうか。

会社のそして社会の利益になるハラスメント対策

「あるあるワード」は、人格の問題ではなく、知識の問題で出ている場合も多く感じます。

ハラスメントについての知識を十分に浸透させることで、ハラスメントだけではなく、今後更に重要な視点になっていくダイバーシティーの問題も、糸口が見えてくるかもしれません。

自分だけが生きていきやすい世の中よりも、みんなが生きていきやすい世の中のほうが、きっと今より快適です。

その土台をもって、ハラスメント対策について学んでいただければ、現場に生かせる知識となっていくでしょう。