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ヒアリングの極意
コミュニケーション
職場のヒアリングの現状
周囲からは、本人は悩みや困っていることがあると聞いていたはずなのに、また、いつもの様子と明らかに違うのにも関わらず、実際にヒアリングしてみても「困っていることはない」と言われ、それ以上何も聞き出すことが出来なかった、と言うことはよくあることです。
それには、ちゃんと理由があります。
私のこれまでの経験から、ヒアリングで話さない(話せない)人の特徴は
- 何をどう話したらいいか分からないから、話せない
- 自分の悩みや困っていることを話すことは良くないことだと思っている
- 話をしたところで、理解してはくれないだろうと思っている
- 話をしたら、不利に(評価を下げられてしまうかもしれない)なるから、話さない
- いつもはコミュニケーションを取ってもらえないのに、こんな時だけ話をされても、結局何もしてくれないのではないかと思っている など
- 以前、話したことがあるが、結局何もしてくれなかったではないか!と思っている
こんな風に、自分にとっていいことはない、と思ってしまって話をしない場合があります。
そこで、今回は、従業員が安心して話ができるようなヒアリングの極意をお伝えしたいと思います。
まずは、その従業員との信頼関係を築いておくということは言うまでもありません。
例えば、「いつもはコミュニケーションを取ってもらえないのに、こんな時だけ話をされても、結局何もしてくれないのではないか」や、「以前、話したことがあるが、結局何もしてくれなかったではないか!」と思われているのであれば、従業員とのコミュニケーションの方法や問題解決の方法を本気で見直す必要があります。それについては、また、次回述べることにします。
今回は、ヒアリングの中で信頼関係を構築しつつ、従業員が安心して自分の話をすることができるヒアリングの極意をお伝えしたいと思います。
ヒアリングの極意
まずは、傾聴の態度で行うのは基本ですね。それについては、「職場のぴあサポーターのための傾聴のポイント①」と、「職場のぴあサポーターのための傾聴のポイント②」の中に記載していますので、参考にしてください。
次に、質問の内容がとても重要になってきます。先ほど述べたように、「何か困っていること」「悩んでいること」などは、自分にとってマイナスなことであり、それを伝えることで、逆に何か問題になるのではないかと思ってしまうものです。
そこで、ポジティブな質問をしていきます
例えば、「仕事をする時に、心がけていること、または、頑張っている事は何ですか?」このような感じです
『心がけている』『頑張っている』ことは、日頃自分が、気を配っていたり頑張っている事なので、ほとんどの人が前向きに答えてくれます
実はその『心がけている』『頑張っている』ことの中に苦手なことが隠されていることが多いのです。苦手で困っているからこそ、そのことについて心がけながら日々頑張っていると言えるからです
『心がけている』『頑張っている』を理由も含めて尋ねていく中で、そのことで困っていることが見えてきます
実際の例
いつものやり取り・・・
A:「何か困っていることや、手伝ってほしいことはありますか?」
B:「特にありません」(具体的に思い出せないし、評価が下がるかもしれないので言えない)
あっさり終わってしまいます。本当は困っていても理解できないままで終わってしまいます
ヒアリングの極意を使ってみると・・・
A:「仕事をする時に、心がけていること、または、頑張っている事は何ですか?」
B:「そうですね、ミスの無いように気を付けています」
A:「どんなミスの事ですか?」
B:「文書の文字などの誤字脱字です」
ここで、Bさんはミスをしやすい人だと分かります。
そこで
A:「どんな工夫をしていますか?」と尋ねてみて下さい。その答えの中に、適切な工夫をしているのか、それともそうでないのかが分かります
そして、
A:「日頃から、ミスをしないように心がけているのですね」
と、まずはBさんなりの工夫を褒めたり、労ったりしてください
もしも、Bさんの工夫が、
B:「パソコンを何度も見て確認しています」などと、適切な工夫でなければ、
A:「そうですね、その後に、印刷して確認してみると、もっとミスは軽減できますよ」
など、いくつか誤字脱字が軽減する具体的な方法を提案してあげると良いでしょう
こんな感じで、対話によって、困っている事(苦手なこと)が分かり、適切な対処法も提案できるという訳です
如何でしたか?
これは一例です。苦手なこと(能力特性)に対する適切な工夫など、具体的なことについての研修も行っていますので、ご相談ください。
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