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ニューロダイバーシティの実現

メンタルヘルスマネジメント

ニューロダイバーシティの実現

ニューロダイバーシティとは

ニューロダイバーシティ(Neurodiversity、神経多様性)とは、Neuro(脳・神経)とDiversity(多様性)という2つの言葉が組み合わされて生まれた、「脳や神経、それに由来する個人レベルでの様々な特性の違いを多様性と捉えて相互に尊重し、それらの違いを社会の中で活かしていこう」という考え方であり、特に、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、学習障害といった発達障害において生じる現象を、能力の欠如や優劣ではなく、『人間のゲノムの自然で正常な変異』として捉える概念。(参照:経済産業省)

私は、発達障がい等が問題で生じる様々なことを能力の欠如や優劣とするのではなく、それぞれの特性からくる得意不得意でありただの違いと捉え、お互いに理解し尊重し、そして互いに適切な工夫をしながら共に働いていこうということではないかと捉えています

ら・らぽーとが提供しているサービスは、まさにこの考えに基づいたサービスです

上司の立場の方からの相談の実際

これまでの相談の中で多かった内容は

  • 何度同じことを伝えても、同じミスを繰り返す
  • まずは自分で考えて欲しいが、すぐに質問をしてくる
  • 同じことを何度も尋ねてくる
  • 本人の評価と、会社側の評価に違いがある
  • 指示やお願いをしても独自の持論で断られ、なかなか従ってもらえない
  • 最初から職場の人間関係構築を避けている感じで、なかなか職場に溶け込んでくれない
  • パワハラと思われるのではないかと思うと、厳しく指導ができない
  • 相手の言動にイライラして、つい怒りが湧いてしまう
  • 注意や指導をすると、その時は「はい」と返事があるが、実際には分かっていなかったり、納期が遅れたりすることがある など

これらの問題の原因の多くは、脳や神経、それに由来する個人レベルでの様々な特性の違いと、その理解の難しさからのコミュニケーション不足ではないかと思っています

こういった時にやりがちなのは

  • 指導や説明の回数を増やす
  • 大きな声の強めの指導する
  • 本人に頑張りを求める
  • 相手の理解も少ないまま、この方法がよいはず、と決めつけて関わる

このような方法では解決できない場合が殆どです。逆に状況が悪化してしまう場合の方が多いでしょう。

上記の問題が続くことによって、職場でミスやトラブルが続いたり人間関係が上手くいかなかったりするだけでなく、ハラスメントに繋がるということも多いものです

その結果、精神的な疾患につながり、休職や退職となってしまうということもあるのではないでしょうか。

また、本人だけの問題ではなく、周囲や会社の経営にまで影響を及ぼします。

「上司と上手くいかない」というご本人の相談だけでなく、「部下にうまく対応できない」「メンタルダウンした部下に対してどのように接したらよいか分からない」と、上司の方がメンタルダウンしてしまうケースも少なくありません

だからこそ、特性に合わせた適切な工夫、つまり、本人や相手、周囲の工夫、そして環境調節が必要になってくるのです

効果的な具体的な対策とは

以前、対応が難しく、特性のある従業員のためのマニュアルを作ってもらえませんか?とお願いされたことがあります。しかし、お断りしました。それは、個人レベルの様々な特性の違いからその対策を書くとなると、途方もなく膨大な量になるということが予想されます。もちろん、世の中には、色んな特性の事例とその事例に合った対処法が書かれた書物はたくさんあります。しかし、勘違いしてはいけないのは、それらはあくまでも一例であり参考にはすることはできても、「このケースの場合、本に書かれてある対応をすれば必ずうまくいく!」という特効薬はないという事なのです

持っている特性と生活環境の中で受けた二次的な影響も加わって、得意不得意や傾向性や価値観などには、個人レベルに違いがあります。ですから、100名いれば100通り以上のマニュアルが必要となるという事なのです

また、仮にそのマニュアルができたとしてもただの参考にしかなりません。それは何故かというと、コミュニケーションは双方向なので、対象の方だけの問題ではないからです。コミュニケーションは情報のキャッチボール。こちらがどんな球を投げたかで、受け取り方も、また相手から返ってくる球も全く違ってきます。そのことを理解しておく必要があります。

ですから、どのような関わり方や仕事だとうまくいくのか、何度も対話(コミュニケーション)を重ね、相手との関りや試行錯誤の中で得意不得意を理解し、適切な仕事や効果的な工夫を共に探していくことが必要なのです。

ちなみに、マニュアルはご本人が自分の『取説』として作っていかれることが望ましいでしょう(作り方については、サポートいたします)

対話で相互理解を深めること

創業して10年間、弊社は「ニューロダイバーシティ」をテーマに相談業務を行ってきました。

先に述べたように、『対話によって相手と自分の特徴を知り、相互に良い方法を試しながら適切な工夫にたどり着く』、この取り組みこそ、「ニューロダイバーシティ」の実現だと思っています

私たちは、EAPサービスとして、その試行錯誤を行っていく上での専門的な知識や経験を提供することが出来ます。どうぞご相談ください

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