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ストレスチェックは、自己管理のための健康チェックです
ストレスチェック
ストレスチェックを受けた方が良い理由
ストレスチェックは、心の病気にかかっている人を見つけ出すためとか、それによって不利な人事異動が行われたりするものではありません。
ストレスチェックをすることによって、今の状況を確認するだけではなく、今後に生かすため(一次予防)に実施するものです。あくまでも自己管理のためのものです。
皆さんは、身体に何か異常はないかと、年に一回は健康診断を受け、もしも何か異常が見つかったときは、それ以上悪化しないように早めに対処するかと思います。ストレスチェックの場合もそれと同じで、心の健康状態をチェックし、悪くならないように意識して過ごしたり(一次予防)、何か問題があれば早めに対処したりすることができます。
また、ストレスチェックは、安心して働くためののための職場環境についてもチェックします。もしも職場の環境に何か問題があったら、事業者は改善の措置をとる必要があります。ストレスチェックは心疾患への予防だけでなく、安心して働くための職場環境改善の役にも立つということなのです。
ストレスチェックでの個人の情報は守られます
これまでに、
「ストレスチェックで悪い結果が出てしまうと人事に影響がある」
「職場の人に知られるのが嫌」
「ストレスチェックをしても何も変わらない」
など、間違った認識の方を多く見かけます。しかし、ストレスチェックは会社が行うものではありますが、原則として個人の情報は守られるように法で定めてあります(ストレスチェック制度に関する法令 )。
会社側が行う健康チェックなので、どうしても会社側に不調を知られてしまうと評価や今後のキャリアに響いたり、もしかするとクビになってしまうのではないかと不安になってしまうしまう方もらっしゃるようです。しかし、事業者は実施者(実際にストレスチェックを行う人)になることはできないようになっています。
ですから、どのような結果が出ても、事業者にに知らせてもよいと本人さんの了解(同意)がない限り、事業者に知られることはありません。
安心して、ご自分のために正直にチェックしていただきたいと思っています。
ストレスチェックを受けるときの留意点
ストレスチェックでは、大きく三つの内容についてチェックするようになっています
一つ目が職場での自分の働き方のチェックです。自分にとって仕事の量や難しさ、あるいは自分の技量・能力にあった仕事ができていると感じているのか、自己采配で働くことができているかなどに気づくことができます。
二つ目は今の自分の状態です。今自分にどれだけのストレスがかかっていて、どのような状態なのか知ることができます。
最後は、職場や家族などからのサポートについての調査です。仕事をするにあたって上司や同僚、また、家族などからどのくらいのサポートを得ていると感じているかを振り返ることができます
また、一つ一つのチェック項目をしっかり確認していくことで、もしもストレスが大きかった場合どうしたら改善するか対策のヒントを得ることができます。
そして、その結果疾病のリスクを減らすことができます。点数だけでなく、点数の偏りや、チェック項目に注目して、「健康で働き続けられる予防・自己管理」を考えていきましょう。
補足ですが、ストレスチェックはWeb版と用紙版があります。用紙で行う場合はマークシート形式です。どちらもチェックし忘れがあったり、二重にチェックするなどの不備や間違いがあると正しく結果が出ません。一度チェックし終えたら、必ず見直すなど確認をしてください。
高ストレス者と判定されたら
高ストレス者と判定された人が、1年後に1か月以上の休職をしてしまうリスクは、高ストレス者ではない人と比べると、男性は約7倍で、女性は約3倍という結果が出ています
※関西福祉科学大学健康福祉学部/関西福祉科学大学EAP研究所のストレスチェック実施後の課題・問題点への対策某(金融業14,718人を対象と した1年間の追跡調査)による
つまり、高ストレスと判定されるということは、将来病気をして休職してしまうかもしれないということを知らせているということです
ただし、今から対策を行えば予防することができます。必要以上に怖がったり、とても不安になる必要はありません。
ですから、もしも、高ストレス者と判定されたら、現在の状況を改善するために、何かしら対処をしてほしいと思います
医師や心理士に相談する良さ
高ストレス者と判定された方はもちろんのこと、ストレスチェックの見方やこれからの過ごし方などを、医者や心理士に相談することで、ご本人にあった工夫を専門的な立場から一緒に考えることができます
医師や心理士は、会社と契約していたとしても会社の人間ではなく、もちろん人事の人間でもなく、中立的な立場ですから、会社の上層部や人事の人に伝えたくないことでも、秘密は必ず守られます。ぜひ、ご自身の将来の健康のために安心してご利用ください
ストレスチェックでのカウンセリングのお勧め
最後に、ストレスチェック後におけるカウンセリングについてお話します
皆さんは、カウンセリングとは
「特別な人が受けるもの」
「重大な悩みを持っている人だけが受けるもの」
というイメージを持たれていませんか?
カウンセリングとは、専門家と一緒に頭の中を整理し、そのことによって悩みを軽減したり、より良く生きていく力を回復したり増やしたりするものです。
現在悩みを持たれているかたは勿論ですが、もう少し気力が出るといいな、もっと頑張りたい、こういう自分になりたい、という方にもお勧めです。
ストレスチェック結果についての相談では、個人結果表の見方の相談や、高ストレス者の方はもちろんのこと、そうではなっかった方からの相談もご利用いただけます。
高ストレス者ではなかった方の中で、このままだと高ストレスになる可能性があるという場合には、何が問題になりやすいのか、どうしたらそうならないのか話し合ったり、また、これからさらに健康で過ごせるにはどのような工夫が必要かなどをお伝えしたりなど、今後に生かせるようなご説明をすることができます。
カウンセリングルームら・らぽーとでは、ストレスチェック実施者としての資格を持った公認心理師が対応します。個別の面談やリモートでの面談にて行っていますので、ぜひご利用ください。